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気になる水周りのお話 研究所スタッフ:一級建築士・ケイ

住宅を計画する際、リビングやダイニング・外観デザインなどを優先して考えてしまい・・・忘れがちな洗面・トイレなどの水周り空間。

ところが、両方とも頻繁に使う空間です。
短い時間であっても少しでも気持ち良く使いたいものですね・・・。
今回は、この水周りについて主婦目線で考えます。

イメージ写真
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■おしゃれな洗面化粧台

「おうちを考える」では、ミラノやアメリカのデザインや住宅、設備などを紹介させていただく場合が多いので、今回はちょっと趣向を変えて(?)タイの写真です。 バンコク出張の際に立ち寄ったインテリアショップに展示してあった洗面化粧台ですが、本体は籐などで作られていて、周りのコーディネートはまさにアジアンテイストで上手にコーディネートされています。 天板は石ですが、足元の収納棚や間仕切り壁には籐が使われていて、小物の設えもおしゃれで雰囲気を出しています。

写真1   洗面空間は顔や手を洗う、歯を磨くといった日常の行為の他に身だしなみや、お客様が見えた時にお通ししたり・・・、多目的に使うスペースでもあります。
実用一点張りではなく、写真のようにお好みのインテリアテイストで演出してみてはいかがでしょうか?
毎日が少し楽しくなるかもしれません。
写真2
 
キッチンがインテリア性を持ったデザインになっていったのに合わせて洗面化粧台もゆるやかに家具調のデザインに移行していますが、まだまだ見せる「家具調の洗面化粧台」といったようには進化してはいないようです。

住宅会社の建売住宅のチラシなどで「ホテルのような水周り空間」などという宣伝文句を見る事があります。
そのホテルの水周り空間はどうなっているのでしょう?
近年オープンしたハイクラス・ホテルの水周りをご紹介します。

【写真3】は東京・汐留のCホテル、【写真4】は同じく汐留のRホテルの洗面浴室空間です。
両ホテルともデザイン性に優れ、全体的にスタイリッシュに計画されています。
【写真3】の方は洗面浴室空間と寝室がガラスで仕切られていますが、デザイナーズ住宅/マンションでこんな手法を取り入れている物件もありますね。
両方とも実際に使ってみると、ボウル埋め込みタイプに比べるとカウンターへの飛び跳ねた水のお手入れが気になるもののリッチな雰囲気に浸ることが出来ました。
 
写真3   写真4
 
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■お洗濯がしやすいのは?

さらに、洗面所は洗濯スペースとしての用途があります。
過去、忙しい主婦のために洗濯機をキッチンに置く提案が少なからずありましたが、最近は省エネの思想からか浴室の残り湯を使って洗濯をするため洗面所に置くのがポピュラーです。
また、洗濯とひとことで言っても、“下洗いして、洗濯機にかけて、干して、取りこんで、たたんで、しまう”とたくさんの工程があり、この「おうち*くらぶ」にも本当にたくさんのミセスの声をいただいています。

特に多かったのが、物干し動線(洗濯機から物干し場までの動線)に対する声です。

 
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  • ベランダが2階なので洗濯物を外に干すとき階段の上り下り。(北海道・1971年生まれ)
  • 洗濯機からベランダまでが遠い。(東京都・1971年生まれ)
  • 洗濯後、ぬれた洗濯物は結構重いので側で干せると楽になりそう。(京都府・1973年生まれ)
  • 賃貸なので、やはり洗濯物をあちこち持っての移動が大変です。洗濯物をあちこち持って歩かずに済むのは、理想です。(北海道・1979年生まれ)
  • 洗濯物は意外と重く大物だと運ぶのも大変。洗濯機置き場は1階にありベランダが2階にあるので干すために2階まで持って行くのが不便です。(神奈川県・1979年生まれ)
  • 干す前の洗濯物は重いので移動距離は短いほうが便利(愛知県・1979年生まれ)
  • 洗濯機を使っている最中、洗面台まで行くのに一苦労すること(洗濯機の排水を風呂場に流すため、風呂場の戸の奥にある洗面台にはホースやら配線やら洗濯機の間をくぐったり、すりぬけたりしないとたどり着けない)(北海道・1983年生まれ)
  • 洗濯物の量が多く取り込んでたたんで片づけるのがとても大変です。(広島県・1965年生まれ)
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イメージ写真

洗濯物は、水を含んで濡れた状態では重く、女性にとってはかなり重労働。
また、天気の良い日、そうでない日などによって、干し方を変えることも考えに入れる必要があります。
洗濯物を取り込んで、たたんでからしまうまでも結構手間がかかります。干す場所・たたむ場所・しまう場所はバラバラなことが多いのではないでしょうか?
しまう場所、つまり収納も洗面所に関わってきます。

日常的な家事である洗濯を重労働にしないためにも、干す場所と洗濯機の位置関係も考えておくと、家事が少しラクになります。

洗濯がラクになるように考えられたプランを洗濯の工程と合わせながら見てみましょう。

 
図1 洗濯の行程
 
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【図1】の 「3.物干しへ運ぶ」 という動線が長ければ、その分、水を含んで重くなった洗濯物を抱えながら移動する距離が長いことになります。
このプランでは、洗面所から直接物干し場、この場合はコート(中庭)に移動できるようになっています。
取りこむ際にも、衣類など2階の居室にしまうものは、リビングに取りこんで、たたむとスムーズです。 タオルなど洗面所に収納するものは、物干し場からそのまま洗面所に取りこんでたたんでしまうことができます。

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図2

■意外にパブリックなトイレ空間

初めてのお客様が見えた時にどなたも「トイレはこちら・・・」とわざわざ場所を案内した経験をお持ちだと思います。 トイレは家族だけが使うものと考えがちですが意外とパブリックな空間でもあります。

私もリビング・ダイニング・キッチンはパブリックゾーン、トイレ・洗面は共有ゾーンと考えて住宅を計画します。

【図2】は実際に計画したある住宅の図面です。
LDKを南面に、玄関ホールを挟んで北側に水周りを配置したものですが、家族だけでなくお客様の使い方も考えた配置にしています。

 

トイレはキレイにしていると使ったお客様に「清潔な家庭」といった印象を与えます。 日常のお手入れはもちろんですが、さらに一工夫してセンス良く飾りたいものです。

狭い空間なのであまりゴテゴテ飾りたてても、うるさい感じがしますし、何よりも掃除やお手入れが大変です。

【写真5】のようにグリーンをセンス良く1鉢、2鉢さりげなく置いておくのも良いと思います。
まずは、おもてなしの気持ちが大事ですね。

写真5
【写真5】
 

■気をつけたい設計上の注意点。

トイレの場所を計画するにあたって
1)1階の家族が集まるリビングダイニング近くやリビングダイニングへ行く動線上
2)2階から降りて来て使い易い階段に近い場所
3)客間がある場合や和室をお父様又はお母様が使われている場合は、その客間・和室に近い場所が理想的です。
最近の住宅では2階にもトイレを設けるのが普通になっているので、2)は必須条件ではありませんが、2階から降りて1階のパブリックなスペースに行く動線の途中にあるのは便利だと思います。

また、トイレは玄関近くに配置される場合も多いのですが、玄関に立ってドアを開けると便器が丸見えといった配置はなるべく避けた方が良いでしょう。

 
図3 図4
 
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トイレの水の節水について。
環境への配慮としてINAXの便器、エコシックス仕様が優れものです。
僅か6リットルの水で洗い流せる超節水便器で、節水とCO2削減に貢献するというものです。
従来の便器に比べ洗浄水量は半分以下で、たった2日でお風呂一杯分の節水効果があるとしています。
詳しくはINAXさんのHPへアクセスしてみて下さい。
http://www.inax.co.jp/company/news/2006/010_equipment_0126_22.html
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