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子どもとのコミュニケーションを考える 研究所スタッフ:一級建築士・ケイ
「和モダンの住まい2」で子どもとのコミュニケーションを考える住まいについて書かせていただいたところ、たくさんの方からご意見をいただき、大変驚いています。
家族のコミュニケーション、とりわけお子さんとのコミュニケーションについては、みなさんご苦労や切実な思いがある事が改めてわかりました。
今回は、その子どもとのコミュニケーションについて住まいが出来ることを考えたいと思います。 和モダンの住まい2
 
まず、いただいたご意見の一部をご紹介させていただきます。

「階段の場所の取り方と親子のコミュニケーションについて、出来れば特集を組んでいただけるといいなぁと思いました。よろしくお願いします」(福島県・34歳)
「家族が自然と集まる間取り。それによって自然とコミュニケーションが図れると思います」(茨城県・43歳)
「親子のコミュニケーションについて、これからもどんどん取り上げていってください」(岐阜県・31歳)

このようなご意見を参考に、子どもとのコミュニケーションを考えた住まいについて話を進めます。

■階段ホールの書斎、勉強コーナー
親子のコミュニケーションというと、リビング、ダイニング、キッチン(オープンキッチン)などが取り上げられる場合が多いのですが、上のご意見に関連して階段に絡んだコミュニケーションのとり方の実例をご紹介していきます。

【写真1】は階段を昇って主寝室に入る手前の僅かな空間につくられた書斎(PCコーナー)です。
別に寝室にスペースが無くて書斎がはみだしてしまったわけではありません。
これは、5年程前に訪れたアメリカ・ロサンゼルス郊外の住宅で、かなり大きな住宅でした。

たったこれだけの事ですが、お父さんが寝室にこもってパソコンをいじっているのと違い、階段のごく近い場所でしかも手摺の脇に居ることで、コミュニケーションの度合いは全く違ったものになると思います。

【写真2、3】は、同じエリアに建つ住宅ですが、やはり2階ホールに設えられた書斎(PCコーナー)で、もう少し大きなスペースを使った例です。
【写真3】は、親子で並んでパソコンを操作したり、勉強、読書が出来るような大きなデスクを設えています。

 
【写真1】
【写真1】
その当時の日本の住宅では、書斎というと寝室の一部にあって、せっかく計画しても、結局使われず物置になっているという例が多かっただけに、こういった仕掛けは新鮮な感じがしました。
 
【写真2】
【写真2】
最近になって、日本でもこういった家族のコミュニケーションの工夫をした住まいの考え方がハウスメーカーやビルダーさんの作る住宅の提案としてポピュラーになってきた感じがします。
【写真3】
【写真3】
さて、【写真4〜7】は私どもで計画した住宅です。
リビングの吹き抜けを介して、階段、2階の回廊式の廊下、スタディコーナーを一体にして、家族が自然とコミュニケーションを取る事が出来るように間取り・空間構成を考えたものです。
学校や塾帰りのお子さんは、必ず1階のお母さんがいるリビングダイニングから階段を昇り(【写真5】)、2階に上がり(【写真7】)、スタディコーナーにいる兄弟やお父さんに目をやり(【写真4】)、自分の部屋に入る。また、スタディコーナーにいるお父さん・兄弟もその雰囲気を察する。そんな動線になっています。写真と図面を見ていただきながら家族の動きを追っていただくと、そんな意図がご納得いただけると思います。

余談ですが、こんな大きな吹き抜けを作ると冷暖房効率が悪くて快適な生活が難しいのでは・・・?とお考えの方もいらっしゃるかもしれませんが、「おうちを考える」の「これからのエコな住まい」でも触れた高気密・高断熱住宅では換気計画・冷暖房計画をキチンとする事で一般住宅に比較して快適に過ごす事が出来ます。

【写真4】2階ホールに作られたスタディコーナー 【写真5】リビング階段、吹き抜けなどにより
2階の様子がわかる1階リビングダイニング
【写真4】2階ホールに作られたスタディコーナー  
【写真5】 リビング階段、吹き抜けなどにより
2階の様子がわかる1階リビングダイニング
【写真6】スタディコーナーから見た階段、吹き抜け 【写真7】階段を昇りきった2階から見たダイニングと
回廊式の廊下、スタディコーナー
【写真6】スタディコーナーから見た階段、吹き抜け  
【写真7】 階段を昇りきった2階から見たダイニングと
回廊式の廊下、スタディコーナー
 
1階平面図 2階平面図
 
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■動線の途中に工夫をこらす

住宅メーカーのカタログなどを見ると、“家族図書館”などと称して吹き抜けのある大きな空間で床から天井までの作りつけの本棚があるお部屋があって、お父さんがはしごなどに登って下にいるお子さんとにこやかに会話をしている写真などがのっていたりします。
でも、実際こんな生活するのでしょうか?
28〜36坪程度の日本の平均的な住宅では、こんなスペースは取れないと思うのですが・・・。。

【写真8】は【写真1】と同じ住宅の向かい側の手摺部分です。
全体で見ると【写真9】のようになります。
ちょっとした本のスペースを作った例ですが、ほんの数冊の本が置いています。
お父さんが読んだ本やお子さんのお気に入りの絵本をおいておくだけでも、それをきっかけに親子の会話が始まるかもしれず、手軽ではありますが良いアイデアだなと思い写真を撮りました。

【写真8】 【写真9】
【写真8】   【写真9】
上の“家族図書館”ではありませんが、親子のコミュニケーションを考える場合、大上段に構えて何か大掛かりな仕掛けをしたり、新たな個室を設える場合はないと思います。
「和モダンの住まい」で書いたように回遊動線にして、常にお母さんの近くにいる状態を作るとか、部屋を移動しながらお気に入りの場所で勉強をするなど、ちょっとした工夫や人の側の行動でコミュニケーションの機会は増えていくものです。

今回とりあげた階段踊り場のスタディコーナーや本のスペースなど、家族みんなが通る動線の途中にちょっとした仕掛けをするだけで自然とコミュニケーションの度合いはアップするはずです。
子どもはあっという間に大きくなってしまいます。
いっしょに生活する時間を大事にして、大いにコミュニケーションをとって、りっぱな大人に成長してもらいたいものですね。
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新築に限らず今住んでいるお宅でも、コミュニケーションを取るための仕掛けとして大きなリフォームをしないでも、何かしら工夫出来る事はたくさんあると思います。
みなさんも、日常の生活でいろいろと考えていらっしゃる事と思いますので、良いアイデアがあればどんどんご意見をお寄せ下さい。

そして、またみなさんとともにより良いコミュニケーションを考えて行きたいものです。

  イメージ
※写真はイメージを含みます。必ずしも説明文と一致するものではありません。
※申し訳ありませんが、記載された住宅の設計についてのご質問や個別の住宅設計のご相談には応じかねますので予めご了承ください。

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