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おうちを考える:think about home 「暖かみのあるデザイン」「和の趣きのあるデザイン」 研究所スタッフ:一級建築士・ケイ一昔前に比べるとデザインの流れは非常に早く、住宅を計画する上でも建築全般は当然のことファッションや自動車、家電品、文房具、その他いろいろな情報に常に気を配っていないとすぐに次のステージに移ってしまいます(それも世界レベルで…)。インテリアのコーディネートを見ても以前はハイコントラストのコーディネートが好まれていましたが、最近は空間全体として奇抜なものより落ち着いた空間が好まれているようです。また素材のミックス化、スタイルのボーダレス化も進行していて、なかなか見極めが難しい時代になっていると思います。こんな背景を考慮しながら、今回は「暖かみのあるデザイン」「和の趣きのあるデザイン」について考えてみたいと思います。
昨年4月にミラノサローネでイタリアを訪れた際に、後学のためミラノ市内の高級ホテルを見てまわりました。
「フォーシーズン」「パークハイアット」「グレイ」などを廻って最も印象に残ったのが、2004年5月にオープンした「ブルガリホテル」です。

オープン当初、あのブルガリがホテル経営に乗り出したという事で話題を呼びましたが、デザインはイタリアデザイン界の大御所「アントニオ・チッテリオ」、 写真を見ていただくとわかりますが、白い部分は漆喰調外壁でディープな木目使いとのコンビネーションが秀逸で高級感があふれる外観になっています【写真1、2、3、4】。
少し「和の趣き」があるようにも感じますがいかがでしょうか?

「ブルガリホテル」外観:写真 「ブルガリホテル」エントランス:写真 「ブルガリホテル」外観:写真
【写真1】
「ブルガリホテル」外観:
1950年代の建物を活用しているそうです
  【写真2】
「ブルガリホテル」
エントランス
  【写真3】
「ブルガリホテル」外観
「ブルガリホテル」外観:写真 ホテルの中庭:写真 ほとんどの部屋は広い前庭に面していてミラノの中心とは思えない静けさを提供し、「癒し」を求めるお客様に応えています。【写真5】

このホテルは宿泊だけでなく付属のスパで疲れた体を「癒す」事が出来るようになっていて、流行に敏感なミラネーゼ達に人気があるようです。
【写真4】
漆喰調の外壁と木目使いの
コンビネーション
  【写真5】ホテルの前庭  
ホテルのエントランス:写真 【写真6】
(番外編)ホテルエントランス
超高級ホテルながらホテルマンは
揃いのジャージ姿、とってもおしゃれでした。
右手前の荷物を持っている人がホテルマンです。
前回も書かせていただきましたが、ここ数年アルミ・ガラス・スチールなどを多用したデザイナーズ住宅が流行していました。しかし上の「ブルガリホテル」もそうですが、疲れた心や身体の「癒し」を求める時代の流れでしょうか、住宅はもとより商業建築や公共建築にも「木の質感」「自然素材」を上手に使った建物が増えているようです。
小泉総理がいらっしゃる首相官邸【写真7】では和を意識した簡素なデザインで「木」「自然石」「ガラス」「土壁」を使って気品のある美しさを表現しています。
首相官邸:写真 ガラスを多用しながらも内側に木のルーバーを上手に使い、また室内外に竹を植えて「暖かみ」を与えています。ちょっと敷居が高そうですが「首相官邸HP」というサイトがあるので一度訪れてみてはいかが?
エクステリア・インテリアのきれいな写真が掲載されています。

最近オープンしたJR品川駅前の「ストリングスホテル」26階のラウンジにもこういった木調のルーバーが数多く使われて暖かみのある空間になっています。興味のある方は近くにお立ち寄りの際にお茶してみて下さい。おしゃれなティータイムメニューもありますよ。
【写真7】首相官邸、東京都千代田区永田町
私がインスパイアされた建物を3例紹介させていただきましたが、皆さんも住宅を計画する際少し視点を変えてホテルや商業建築などに注目してみるのも良いと思います。
思わぬアイデアをいただけるかもしれません。
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「暖かみのある」「和の趣き」の外観デザイン
さて、前回ご紹介した我々「おうち*くらぶ」のメンバーが企画に参画した建物について、今回はデザインの工夫についてお話しいたします。

先ずは全体の形について。
ファサードはフラットルーフと片流れ屋根を使い、使っている素材とカラーリングで「暖かみ」と「和の趣き」を表現しています。
飽きのこないシンプルな形にして街並みに溶け込みながら、使っている部材とカラーで個性を主張する、そんなデザインです【写真8】。
建物の外観は屋根の使い方でガラリと印象が変わってきますので、「長く暮らせる素敵な外観デザイン」の記事も参考にして下さい。
外観:イメージ写真 木調ルーパー:写真
【写真9】木調ルーバー
軒天にも木調仕上げとしてこだわって
います
木調サッシ:写真
【写真8】外観
木調ルーバーバルコニー:写真
外壁タイル:写真
【写真10】
木調サッシ
【写真11】外壁タイル:千陶彩 【写真12】木調ルーバーバルコニー
さて、次はエクステリアパーツです。
資材メーカーさんにお願いして木調ルーバー【写真9】、木調サッシ【写真10】、木調ルーバーバルコニー【写真12】などを作っていただきました。
木調サッシはアルミに木目調のシートをラッピングしたもので、最近は印刷技術が進んでいるため少し離れて見ると木のように見えるすぐれものです。もちろん耐久性にも問題はありません。小屋部分やバルコニーのルーバーは木の「暖かみ」と「和」の雰囲気を出すための演出で木調サッシはポイント使いで白い塗壁でのアクセント効果を狙っています。

外壁全体は白い塗り壁を基調にして、黒い部分のタイルはバルコニー等に部分使いしてメリハリをつけています。
タイルはINAXさんの千陶彩という商品で、繊細な「和の趣き」やしっとりとした質感があり「暖かみ」を表現することが出来ます。
小さいサンプルではわかりにくいかもしれませんが、新築を計画されている方はショールームなどで確認して見て下さい、きっとお気に召しますよ。
 
    【写真12】山吹色 【写真13】萌黄色
外観全体をモノトーンの落ち着いたカラーリングにしているので、特注で日本の伝統色を使った玄関ドアを作り、色を差しました。

利休鼠(りきゅうねずみ)、江戸紫(えどむらさき)、弁柄(べんがら)・・・古来、日本人が大切にして来た色があります。
我々が普段使っているカタカナの色ではなく、日本の伝統色には自然の安らぎや味わいがあり一種癒されるものがあります。
 
  山吹色玄関:写真 萌黄色玄関:写真
 
【日本の伝統色カラーの玄関ドア】
 
この住宅ではそんな日本の伝統色の中から山吹色【写真12】と萌黄色【写真13】をチョイスして少しこだわった玄関ドアを作り、【写真8】の建物には山吹色を使ってみました。
市販の玄関ドアにはない、そこはかとない気品が表現できたと思いますが、いかがですか?
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シンプルでモダンなイメージのインテリアデザイン
この住宅のインテリアは最近のボリュームゾーンと思われるナチュラルモダン・ベーシックモダンを意識しつつ色や素材を合わせすぎて窮屈にならないような新しいコーディネートをしています。

床材にはクリア塗装のメイプルのムク材を使い、ナチュラルイメージのシンプルでモダンなインテリア空間にしています。
建具は濃い目のハッキリとしたプラム(すもも)柄の木目シートを使いやはり特注で製作しています。
最近は従来のシートでは避けられていた大きな木目が取り入れられ始めていて、古木調、節、斑(ふ)などを意識して入れて本物感をあらわすデザインも出て来ているので、その流れをいち早く取り入れています。
プラム柄室内建具:写真
【写真14】プラム柄室内建具
コーディネート例 コーディネート例
巾木:写真 窓台:写真 窓台、窓枠:写真
【写真15】コーディネート例   【写真16】コーディネート例
インテリア全体としてはメイプルのフロア、ホワイトの巾木・窓台などを使い、建具はプラム柄をメインにしながらも収納扉や玄関収納などはホワイトにして、「暖かみ」があるコーディネートの中にも緊張感の感じられる空間作りをしています。
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「暖かみのあるデザイン」「和の趣きのあるデザイン」いかがでしたか?
2004年、2005年のミラノの展示会を見ても一時期のお約束であったホワイトのシンプルな貼り地から植物柄が目立つようになったり、カッシーナのショールームでの柔らかなカーブのソファを見るにつけて確実に流れは動いているなと感じます。
またこういった流れが以前はある一定のタイムラグを持って日本に入って来ていたのですが、このところはタイムリーに日本に入って来ています。
皆さんもインテリア雑誌、女性誌の特集などでこれら最新の情報を目にする事があると思いますので、常にチェックをして下さい。

※写真はイメージを含みます。必ずしも説明文と一致するものではありません。
※申し訳ありませんが、記載された住宅の設計についてのご質問や個別の住宅設計のご相談には応じかねますので予めご了承ください。

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