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おうちを考える:think about home
住宅のインテリアコーディネート 研究所スタッフ:一級建築士・ケイ
一般の方々にとって間取りや設備を決めながら住宅の計画当初からインテリアをコーディネートして行くという事は(なかなかそこまで気が廻らない事もあって)難しいのではないかと思います。 おうち*くらぶで実施させていただいたインテリアのアンケートでもインテリアイメージが「ちぐはぐになった」と回答した方がかなりの数にのぼりました。 そんな方々のために今回のおうちを考えるでは、基礎的なインテリアコーディネートの進め方について考えます。

インテリアコーディネートというと、家具やカーテンを選んだりクロスを決めたりといった事が頭に浮かぶと思います。
女性誌などで取り上げられる場合もそのような特集が多くなっています。
確かにそういった仕事もインテリアコーディネートの大切な部分ではありますが、実際は建築計画をする時に同時進行で建具・造作材などとともにトータルに考えていかなければならない事です。
それでは、建物全体のインテリアコーディネートの進め方についてお話しして行きます。

■インテリアコーディネートの進め方
1、全体イメージを決める
まずは、どんなイメージにしたいのかを固めて下さい。
インテリア雑誌を見たり住宅展示場に行った時の印象で決めて結構です。
雑誌の写真やハウスメーカーのカタログ写真や、「あそこのモデルハウスのイメージ」などと設計担当者・インテリアコーディネーターに具体的に伝えて下さい。
全体イメージを決めないでスタートすると迷いが出たり、後々ちぐはぐになる原因になります。
イメージが決まっていても迷いは出るものです。
2、ベーシックカラーとアクセントカラーを決める
次にインテリアの基本になる床・建具の素材・カラーを決めます。
インテリアの素材・カラーを決める場合は選択巾の狭いものから先に、クロスなど種類が豊富で選択の巾の広いものを次に決めるのが良いと思います。
タイル、カーテン、家具の選定はその次の段階になりますが、最近は「このソファにあわせたおうちに住みたい」といった方も増えてきているようなので、あくまで原則としてとらえて下さい。
またフローリングにする場合、比較的工事の時期が早いので、なるべく早めに決めておく必要があります。
写真1 写真2
【写真1】   【写真2】
【写真1、2、3】は同じ住宅の写真ですが、この建物の場合【写真3】のように梁を表わしにした「ナチュラルで爽やかな空間」にするため、床材を同じくクリア塗装のメープル・ムクのフローリングにして、まず全体を木質感に溢れた空間にしています。
ただ、全体をナチュラル系の部材だけでまとめてしまうとメリハリが無くなるので、建具をプラム柄の濃い目のカラーとし、同色でダイニングテーブルを誂えて統一感を出しています。
収納家具はメープル材で製作し床と素材・カラーを合わせています。
写真3
  【写真3】
この住宅では、ダイニングテーブルと収納家具は東京の下町にある造作家具専門の業者さんと打ち合わせをして特注で製作しました。
【写真4】はダイニングテーブルのカラーを建具とあわせるため、職人さんが建具の面材サンプルと比較しながら色味の確認をしているところです。

この例では、ナチュラル色がベーシックカラー、プラム色がアクセントカラーです。
さらにもう一色、キッチンのカップボードの赤をアクセントカラーとして全体の色のトーンのバランスを取っています。
写真4
  【写真4】
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3、カラーと使う材種は絞る
さて、計画が進んで行くに従って、あのモデルハウスで見た○○を使ってみたい・・・、建材メーカーのショールームで見た○○も是非採用しよう・・・と夢が膨らみますが、ちょっと待って下さい。
この色のキッチンが好き!、このクロスが素敵!と思っても単体で見た時には確かに良くても、全体的に見るとバランスが悪かったり、思っていたイメージにならない場合があります。

このような場合は往々にして使う素材が多過ぎたりカラーを使い過ぎているので、ここは心を鬼にして?なるべく素材・カラ−を絞って使うようにして下さい。
写真5 写真6
【写真5】   【写真6】

【写真5、6】の住宅の場合は木(木調のシート面材を含む)の部分は床のラバーウッド、壁・天井のアクセントとして杉板、建具の枠・面材、キッチンの面材の4種類のみです。
この住宅のインテリアはチョコ&バニラのイメージで仕上げましたので、フローリングのカラーはココア色の濃い色合いにし、建具・造作材はジェラータバーチ色のシート面材のもの(LIXIL製)を使っています。
特に木部は同じ色合いで微妙に色が違ったり、「濃い」「薄い」が混じっているとバラバラに見えるのでそのような事がないよう気をつけて下さい。

このフローリングのココア色はこちらのオーダーで作った色なので、工場に出向いて色出しをしました。
イメージ通りの色が出るまでほぼ一日がかりで何回もやり直しをしながら決めました。
インテリアイメージをあわせるため、こんなところもこだわって作っています。
クロスはLDK一体の部屋なので天井・壁ともに1種類で貼上げ、女性の書斎部分にアクセントカラーとしてパープルを使っています。
駆け出しのコーディネーターに当たると気張ってリビング・ダイニングから寝室、洗面、トイレに至るまで全部屋が違うクロスを選定するといった場合もありますが、別に全部の部屋を変える必要もない場合もあるので、その辺はソコソコにお好みで。
写真7

【写真7】
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4、サンプルや実物で確認しましょう
以上のように各パートの部材を選定して行きますが、カタログ写真やネット上の写真で早合点して決めてしまうのは禁物です。
選定する過程でショールームでサンプルを確認したり、モデルハウスで実物を確認する事を忘れないで下さい。
一般の方が小さなサンプルで全体を想像するのは至難の技(我々もなるべく大きなサンプルで確認しますが)、広い面積のものは膨張効果で薄く、狭い面積のものは濃く見えがちですから、そのへんも頭に入れて確認して下さい。
また、室内灯でも蛍光灯と白熱灯では見え方が違いますので、要注意です。 実際に使う状況で確認する事をお奨めします。

右の【写真8】は【写真1〜3】の住宅のキッチン部分のタイルです。
インテリアの傾向に合わせてナチュラル系に近いイエローのモザイクタイルを一部に使ってアクセントにしています。
こういった細かい所にも気を使って全体のバランスを崩さないよう工夫をしています。
タイルもクロスと同じように、ショールームで「素敵!」と思って違うトーンの色を持って来てしまって失敗することがあるので注意して下さい。
写真8
    【写真8】
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5、家具・カーテンを選ぶ
こんな経緯を経て、やっと家具・カーテンなどの選定になります。
【写真1〜3】に戻りますが、ナチュラル感を大切したこの住宅のコンセプトを大切にし、ソファとチェアに自然素材の暖かみのあるアイテムを選定しています。
またリビングテーブルにはやはり自然素材である石貼りのものを選定しています。
このあたりの詳しい内容はおすすめインテリア「インテリアコーディネートは素材の組合わせ」で詳しく解説されていますので、そちらを参照していただければ幸いです。
写真9 写真10
【写真9】 【写真10】
以上がインテリアコーディネートをする際の大まかな流れになります。
人によって、また建物によってやり方が変わる場合もあるので今回の内容と違うから間違っているとか、おかしいというわけではありません。
また、ハウスメーカーの場合は商品毎にいくつかのコーディネートパターンが予め用意されている場合があります。
推奨コーディネートを気に入った場合はそのパターンに従うか、又はそのパターンをベースに自分の思いを入れて一部変更をしながら進めた方が良いと思います。
要はケースバイケースなので念のため。

インテリアコーディネートについて、どこから手をつけて良いかわからなかった方もいらっしゃったかと思いますが、参考になったでしょうか?
さらに詳しくクロスの選び方、家具の選び方を知りたい方は『おうち*スクール』「おうち*スタイリストコース」が参考になると思います。
興味のある方は是非、受講してみて下さい。
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「住宅を計画する際の設計者との付き合い方」で御紹介したAさん邸の設計をしていてつくづく「たいへんだな」と感じた事は、一般の方がおうちを計画する際、色々なことを「無」から考えていかないと行けない事。
これは楽しい反面、相当なストレスではないかと考えます。
間取りや設備を決めて行く事は当然ですが、忘れがちなのが全体のコーディネートです。
今回の特集を参考にしていただいて、皆様の素敵なおうちつくりに役立てていただければ幸いです。
※写真はイメージを含みます。必ずしも説明文と一致するものではありません。
※申し訳ありませんが、記載された住宅の設計についてのご質問や個別の住宅設計のご相談には応じかねますので予めご了承ください。

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