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和室のモダンデザイン 研究所スタッフ:一級建築士・ケイ
先日、京都で会議があったので翌日は時間をとって街中を散策して来ました。
ある方の紹介で通常は非公開の町屋・杉本家(京都市指定文化財)に入らせていただき、実際に住んでいらっしゃる奥様に解説していただくという幸運を得ました。
丁寧な説明と築137年(平成18年現在)という町屋を見る事で日本人の繊細な心遣いや自然と上手につきあう知恵、四季折々の行事にあわせて変わる設えを知り、改めて日本の住宅についての造詣を深くした思いです。さて今回は上記の町屋とは打って変わって現代風の和室について。
私が設計に携わったシンプルでモダンな住宅の和室を例にお話しを進めて行きたいと思います。
■モダンな和室にひと工夫

昨今、住宅を新築する方の中心が20代後半から30代になっているせいか、本格的な和室のニーズが少なくなり肩の凝らないモダンな和室が好まれるようになっているようです。 そんなニーズに応えて設計した和室を3例ご紹介していきます。

【写真1】はコンパクトな6帖の和室です。 シンプルでモダンに仕上げる場合には装飾的な要素が少なくなり、いいかげんなディテールだと、安っぽくやぼったいイメージになりがちです。 細かな所にも気を遣いたいものです。

使う材料を絞り、襖・障子のタテヨコのライン・枠の厚みを揃えて、床の間はゴテゴテせずスッキリした踏み込み床、タタミは縁なしの琉球畳風にしています。 また、6帖の和室ながら少しでも広く感じられるよう天井は半間の床の間、押し入れの上まで通しで計画して7.5帖分の広さがあるようにしています。

洋室でもそうですが、エアコンの既製のグリルが剥き出しになっているのは特に和室では興ざめですので特注でルーバーを製作してこの部屋になじんだデザインにしています。

【写真1】 【写真2】
【写真1】
【写真2】はシンプルな和室にインテリアショップ・ワイスワイスのリビングテーブルを座卓として置いた例。 折角シンプルでモダンな和室にしたので、家具や小物も極力統一感が出るよう装飾的なものは避けたいですね。
  【写真2】
【写真3、4】は【写真1】の和室と同じコンセプトで計画した和室です。
8帖の和室ですが、やはり広く感じられるように床の間の上部に下がり壁を設けず、天井材をそのまま奥まで貼って体感的には10帖大に感じるようにしています。
【写真3】 【写真4】
【写真3】   【写真4】
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■和の空間にひと工夫
【写真5】 【写真6】
【写真5】   【写真6】

【写真5、6】のテーマは木の感触を感じる事が出来る「癒しのモダン和室」。
私は自然素材の荒々しさが住宅のインテリアに入ってくる事を好まないので、集成材の柱・梁をあらわしにしながらも適度に加工された木・紙などの素材を使い、人に優しい癒される空間作りを試みました。
床の間の壁にはトミタの「こうぞ」を使い、照明には梁の形状・質感に馴染む器具をチョイスしながら、全体として柔らかな印象を受ける和室の計画になっています。

【写真7】 【写真8】
【写真7】   【写真8】
【写真9】

日当りの良い広縁にはモダンでありながら和の雰囲気のある家具を置いて、気軽にお友達とおしゃべりやお茶をしたり出来るよう設えています【写真8】。

写真が前後しますが和室と広縁の間には素通しの格子戸を入れ、2室を繋がり感のある空間にし開放的な演出をしています 【写真6、7】。

シンプルモダンの住宅の和室というと建築雑誌などでは「飛びすぎた」事例もまま目にしますが、ずっと住むには疲れてしまいそうで「どうかな」というものもあります。 新し過ぎず、古めかしくなくという加減が難しいところでもありますが、今回の特集がシンプルな住宅を計画されていて和室で迷っている方々の参考になれば幸いです。

【写真9】    
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以上、モダンデザインの和室をご紹介しましたが、いかがだったでしょうか?
冒頭の町屋・杉本家について知りたい方は
http://www.gyoutai.com/kyoto/sugimotoke/info.htmまで。
通常は非公開、保存会の会員のみ見学可能ですのでご注意下さい。
※写真はイメージを含みます。必ずしも説明文と一致するものではありません。
※申し訳ありませんが、記載された住宅の設計についてのご質問や個別の住宅設計のご相談には応じかねますので予めご了承ください。

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