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こんな背景からか、最近「リビングルーム」に対する考え方も少しずつ変わって来ています。
ここ数年は、LDKを仕切らずシンプルなワンルームにしてフレキシブルな空間として提案し、そこに住む人がライフスタイルやライフステージに合わせて使い易いように家具等で仕切ったり、前回ご紹介したようなキッチンを部屋の中心に配置して家族のコミュニケーションを図るような新しい動きがあります。
この発想は和室の使い方に通ずるところもあり、「リビング」もひとつの用途に限定せず、LDKワンルームで考える事で必要に応じて多目的に使える生きた部屋とする事が出来ると思います。
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写真1)は私が設計を手がけた住宅ですが、LDKをアイランド式のキッチンなどを使いながらワンルームにし、どこにいても常に家族の存在が感じられる空間にした例です。リビング部分の上部は吹き抜けを設け、広がり感を与えながら2階とのコミュニケーションを取れるような工夫もしています。
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写真1)一部だけ壁を入れてLDKをワンルームにして、フレキシブルな空間にした例。キッチンからダイニング・リビングが一望出来る。
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面積的に限られた日本の住宅では部屋小さく仕切るのではなく、リビング・ダイニング・キッチンを一体で効率的に使えるように計画し、あとは、その人の生活スタイルに合わせていかに自分流に使い易くするかが住まい手の腕の見せ所でもあると思います。
それでは、さらにリビングルームの活用方法を考えてみましょう。 |
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アメリカの住宅の場合、玄関を入ってすぐにリビングになっている関係で、リビング階段は当たり前になっていますが、最近、日本の住宅でも少しずつ、この「リビング階段」が増えてきているようです。
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玄関直結型の階段だと、お子さんが「ただいま!」と学校から帰って来ても、玄関からいきなりトントンと2階へ上がってしまい、その後の行動がわからなくなります。
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写真2)
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写真3) |
アメリカの住宅のリビング階段例、リビングやダイニングから2階に上がるようになっている
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リビング階段の良さはいつ帰って来て、どんな友達を連れてきているのか、いつ外へ出て行ったかなど気をつけていればよくわかるところです。
また、写真4)、写真5)のように階段と吹き抜けを併用して上下をつなぐ立体的な空間とする事で、「リビングルーム」に視覚的な広がりを与えるとともに、家族のコミュニケーションも大いにはかれる事と思います。
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写真4)
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写真5)
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リビング階段は計画当初から考えていかないといけないものですが、次にご紹介する「ホームシアター」は、どなたでも気軽に楽しむ事が出来ます。 |
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お子さまが大きくなるにつれて、家族団欒の場として使われなくなる「リビングルーム」を活用する上で、最も手軽に、また家族みんなで楽しめるものにホームシアターがあります。
プラズマ、液晶などの薄型大画面TVも価格が下がり、以前に比べると購入し易い環境になって来ましたが、まだまだお高く「ホームシアター」を楽しみたいと思ってもちょっと勇気がいる買い物ですね。
家電メーカーもCMに力を入れているので、消費者の目もこの手の薄型TVに目が行きがちですが、もう少し簡単に「ホームシアター」を楽しむ方法に液晶プロジェクターがあります。
下の写真6)、7)、8)、9)は私がインテリアコーディネートをしたお宅のリビングルーム(LDKのワンルームタイプ)ですが、液晶プロジェクターのホームシアターを提案しました。
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写真6) |
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写真7) |
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写真8) |
6)通常の状態のリビング、7)三脚を立てて、8)スクリーンを設置、これで簡単に大画面で映画などが楽しめます。ちなみに写真のタイプは50インチ。
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液晶プロジェクターは価格も量販店で20万円前後で性能が良いものが出ていますので本格的な形にしなくても上の写真のようにスクリーンをパッと広げて大きなスクリーンで映画などを楽しむことが出来ます。
自宅の大画面で家族で楽しむ映画もなかなかおつなものですよ! |
※プロジェクターはお手持ちのオーディオセットと併用してお楽しみください。
※カメラ用の三脚に取り付けられる液晶プロジェクターは機種が限られています。私が知っている限りはパナソニックのプロジェクターのみですので、ご購入の場合は良くご確認下さい。 |
写真9)液晶プロジェクターカメラ用の三脚に取付けて使用出来るタイプ |
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普段はあまり気にせず、当り前に使っている「リビングルーム」ですが、ちょっと違った目線で見るといろいろと考えさせられるものですね。
今回の特集を読んで下さった皆様、色々なご意見をお待ちしています。
※写真はイメージを含みます。必ずしも説明文と一致するものではありません。
※申し訳ありませんが、記載された住宅の設計についてのご質問や個別の住宅設計のご相談には応じかねますので予めご了承ください。 |
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