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和モダンの住まい 研究所スタッフ:一級建築士・ケイ
皆さん、「和テイスト」はお好きですか?新しいホテルのラウンジやレストラン、ショップなど、「和テイスト」のインテリアが多くなっているので、知らず知らずの間に目にする機会が増えている事と思います。格子、木の感触、色使いなどシンプルで心和むデザインが、何かと物騒な世相の中で我々の心を癒してくれるからなのかもしれません。今回はそんな「和モダンの住まい」についてお話を進めていきます。
■シンプルモダンから和モダンへ
右の写真は昨年完成した東京都心のとある高級マンションのエントランスラウンジです。
先日、私の知人のそのまた知人の方が入居されたので、興味深々、内部を拝見させていただきました。
障子のようなデザインの建具や照明、内壁材などの素材、色使いが「モダン」と「和」を意識したものになっていて上品さと新しさを感じさせる雰囲気が印象的でした。
【写真1】
【写真1】
そんな「和モダン」の世界が2005年くらいから商業施設や建築、インテリアにかなり顕著になっているように感じます。 一時全盛だった「シンプルモダン」が「モダンに和の要素」をミックスした新しい世界に序々に移っているようです。
所変わって・・・【写真2、3】は2004年のミラノサローネでの写真。
障子風のデザインといい朱色の使い方といい、【写真1】のマンションと通じる雰囲気です。
過去のインテリア通信の中でもご紹介していますが、今ヨーロッパではちょっとした日本ブーム。
「ZENスタイル」として和のエッセンスとシンプルモダンがうまく融合した家具やインテリアデザインが当たり前のように展示会などに出展され、そのスタイルがヨーロッパから日本に逆輸入されるような形で広がりを見せているようです。
【写真2】 【写真3】
【写真2】   【写真3】
以前このコーナーでかんざしの話しをさせていただきましたが、若い女性のあいだで和装が静かなブームを呼んでいるせいか百貨店でも和の小物のコーナーが少しずつ増えている、と住まいづくり研究所の女性スタッフが語っています。
彼女らにとって「和」のエッセンスはヨーロッパの人達が感じるのと同様に新鮮なアイテムとして受けとめられ、支持されているのかもしれません。
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■和モダンな住まい
さて、私たち住まいづくり研究所では、一昨年あたりからこんな流れを感じつつ和モダンの住宅の企画を練り始め、このほどその案がまとまりましたのでご紹介させていただきます。
この「和モダンの住まい」では心和ませる上品な佇まいと現代風のモダンデザインをミックスさせて「新しい日本の家」といった外観デザインを試みています【図1、2、3】。
【図1】 【図2】
【図1】   【図2】
軒や幕板の水平ラインと縦格子や柱といった垂直ラインをバランス良く組み合わせたデザインや、装飾を極力なくしたシンプルなデザインが特長です。
また、木質感を大切にして建物の道路面のサッシには木調サッシを使い、バルコニーのルーバーや破風などと色合わせをした部材を採用して「和」の雰囲気を演出しています。
  【図3】
  【図3】
※木調サッシ:アルミサッシに樹脂シートをラッピングしたサッシです(LIXIL製)。
  木製サッシではありません。
この建物、プランを作る上でエントランス動線にも注意を払っています。
【図4、5、6】はそれぞれ【図1、2、3】の玄関・玄関ポーチ部分の平面図です。
仕事や学校から疲れて帰る御家族が新築した御自宅を愛でつつ、またお庭を見ながら心のスイッチをリラックスモードに切り替える時間を持てるように、少しだけ「遠回りした」アプローチになっています。
わずかな遠回りの時間ではありますが、スローライフの時代、こんな余裕も必要ではないかと考えました。
【図4】 【図5】 【図6】
  【図4】   【図5】   【図6】  
【写真4】 インテリアでは、我々日本人の先人達が作り出した和の空間が持つ独特の「曖昧さ」を新しい解釈でリビングダイニングに取り入れています。
【写真4】はリビングとダイニングの間に縦格子のスクリーンを設けたものです。
ワンルームでありながら仕切られているような曖昧さを出して視覚的な広さ感を犠牲にせずにリビングとダイニングを一種独立性のある空間にしています。
実はこのスクリーン、もうひとつの使い方があります。
題して「食育スクリーン」。
「食」という漢字は分解すると「人」+「良」。「食」とは、もともとは「人に良い」という意味だそうで、食事の時はリビングのTVを消して家族団欒で、
【写真4】
会話を楽しみその日のことを語りあうような、子どものいる家族のことを考えたアイテムでもあります。
格子スクリーンひとつで、広がりを感じたり逆に閉じた空間に感じたり、見る角度によって違ってきますし、子どもの食育にも活用できるという、なかなかの優れものだと思います。
【写真5】和室の続き間。
和室の続き間などと言うと少しかしこまった世界を想像してしまいます。
和モダンの住まいでは肩の力を抜いたリラックス出来る空間として提案していますが、使い方は従来通り親戚などの集まりにも活用出来て・・・、和室本来のマルチパーパスな部屋としての使い勝手はそのまま生かしています。
  【写真5】
    【写真5】
最後に。
住宅の主役はあくまでもその中で生活する人です。
家具や食器、衣類など様々な生活用具を持ち込み乱雑になりがち・・・、だから建物は脇役に徹する。
住む人が映える空間を生み出すために、建物はシンプルであるべき。
そんなことを考えつつ和モダンの住まいを計画しています。

次回は、和モダンの住まいのプランの工夫などについてご紹介する予定です。
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■番外編・・・これも和モダン?

【写真6】は昨年4月のミラノサローネでのあるキッチンメーカーの小物の飾りつけです。
(画面が小さい方はちょっと見にくいかもしれませんが・・・)超モダンなキッチンのカウンターの上に、木の皮で作られた舟形の器の中には箸の代わりに木製のスプーンとフォーク、その向こうには急須と湯のみが見えます。
下手にコーディネートするとちぐはぐに見えてしまいますが、全体として調和が取れていてとってもおしゃれでした。
あちらの方の「和」のイメージってこういう感じなのですね。
【写真6】

【写真6】
※写真はイメージを含みます。必ずしも説明文と一致するものではありません。
※申し訳ありませんが、記載された住宅の設計についてのご質問や個別の住宅設計のご相談には応じかねますので予めご了承ください。

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