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風と光のデザイン その3
みなさんも、もうご存知かと思いますが先月(4月)5日、甘利経済産業大臣から「白熱球を2014年までに廃止する」という表明がありました。
私も少々驚きましたが・・・電力消費が多くて寿命の短い白熱電球を電球型蛍光灯に切り替える事で温室効果ガスを減らしていこうというのが、その狙いとの事です。

今回は、このある意味ショッキングな話題からスタートして、引き続き省エネを考えた住まいについて進めていきたいと思います。
イメージ写真
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■光を上手に活用して「快適に」「省エネ」に暮らす

今、お住まいの住宅で、昼間でも照明をつけている方は結構多いのではないでしょうか?
窓が小さいから・・・、住宅が建て込んでいるから・・・、採光をあまり考えずに間取りを計画してしまった・・・等々理由は様々だと思います。

家庭で消費されるエネルギーを見ると、一般的な住宅で「エアコン」「冷蔵庫」「照明」「家電製品」の順でエネルギー消費の割合が多いことがわかっています。

写真1
 

昨今、テレビ・新聞等のマスコミでも連日のように取り上げられている「地球温暖化」。
その主な原因とされている二酸化炭素について、日本での排出量の推移を見ると1990年から約10年間、産業部門がほぼ横ばいなのに対して家庭エネルギーの消費部門では約30%弱の高い伸びで増えつづけています。
もちろん、まだまだ産業部門の方が総量では2倍以上多いのですが・・・・。

 
その家庭エネルギー部門でも、住宅の建設、居住、解体といった一連のサイクルで、まず建設時に非常に多く資源や資材を使い、また居住時に最も多く二酸化炭素を排出しています。
私たち1人1人が省エネを意識して二酸化炭素の排出を抑えていかなければ、政府が京都議定書で約束している目標数値は達成は出来ない見通しです。
 
写真2  

前回前々回と、自然を上手に取り入れる事で快適で省エネ生活ができる住宅についてご紹介しましたが、今回は風と光のうち、光の上手な取り入れ方の工夫についてご紹介したいと思います。

自然光を上手に建物の中に取り入れる事で、昼間の明るさはもちろんですが、照明を無駄に使わずエネルギー消費を削減し、地球に優しい「エコ生活」と家族の「快適性」を追求した住まい方が可能です。

 
【写真1】は前回ご紹介した、わたしたち「おうち*くらぶ」で考えた省エネを考えた住まいです。
風を有効に取り入れる事によってエコで快適な住まいを追求しましたが、光についても色々な工夫をしています。
一つは「風と光のデザイン その2」でも触れましたが、グレーチングバルコニーを採用し、本来はバルコニー床で遮ってしまう光を網状のグレーチング越しに1階のリビングやダイニングに招き入れています【写真2】。
 
写真1
写真3
 

工夫その2、として天井近くまでの高さがある大きなサッシ【写真3】を1階リビング・ダイニング部分に取り付けています【図2】。
一般的なサッシの高さが、H=2000_(2m)に対し約2400_(2.4m)の高さがあるサッシによって、リビング・ダイニングに居て明るいのはもちろんですが、開放感を味わう事も出来ます。
※快適性を高めるため、地域によって日射遮蔽対策等を有効に施す事が必要になります。

【図3】を見ていただくとわかるように、窓の位置は高い方が部屋の奥まで光が届きます。 特に太陽の角度が浅くなる冬には窓の高さが高い方がリビングやダイニングの奥まで光が届きます。また、同じサッシの高さでも冬、春秋、夏の順で光の入り具合が違っているのがわかると思います。

 
図3   写真4
 
【図4〜7】は【図2】の住宅で窓の高さの違いによってどのくらい太陽光の入り具合が違うのかをシミュレーションソフトを使って比較した結果です。
【図4、5】はH=2400の背の高いサッシ、【図6、7】は一般的なH=2000の高さの場合です。
明らかに光の入り方の違いがわかると思います。
 
上手に自然光を利用する事は、人工照明を無駄に使わずエコ生活をするための工夫でもあります。
今までの住宅と比較して、心地よい明るさの居室で生活を楽しむことが可能です。
今は、こんなシミュレーションを行いながら、間取りや取り付けるサッシを検討する事で、実際の住まいに近い体験が計画段階で出来るようになってきています。
 
図4   図6
図5 図7
東京 冬至の場合のシミュレーション
 


工夫その3は窓の配置です。
【写真5、6】のように建物のコーナー部に連続してサッシを配置して、2面から採光をとると共に室内からの眺望を広く取って、より外部との一体感を出せるようにしている点、さらには腰壁部分もFIXサッシとして光を取り入れている点などが特長です。

 
 
これらの工夫をする事によって、非常に明るく快適な居住空間を提供しながら照明をつける時間を極力減らし省エネに貢献することを目指しています。
 
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「風と光のデザイン その3」をお届けしました。
冒頭に書かせていただきましたが、個人レベルでも意識して省エネを考えた生活をする、地球の環境を守る、という観点で住宅を考える事が必要な時代になりつつあります。

住宅を考える時、間取りやキッチンその他の設備や素敵なインテリアなどに考えが集中しがちですが、「地球温暖化防止」がさけばれる中、私たちの子どもの世代に良い環境を残してあげるために、今回取り上げさせていただいた省エネや二酸化炭素の排出量削減といった事についても真剣に考えてみるべきではないでしょうか・・・。

また、省エネのテーマで書かせていただく事があるかと思いますが、これで一度終わらせていただきます。
次回は、この住宅の奥様目線のポイントについてご紹介したいと思います。


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