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省エネ住宅の外観デザイン
スタッフ 一級建築士 ケイ

国の住宅政策の見直しによって、最近の住宅には省エネ性能 や長期に渡る耐久性能など一昔前は余り重視されていなかった性能が求められており、「長期優良住宅」「エコポイント」と
いった制度が後押しする形になっています。
住宅の外観デザインは、当然、これら性能・機能等とは無縁ではなく、考えて行くとおのずと決まるカタチというものがあると思います。
前回に引き続き、省エネ住宅について・・・今回は、そのデザインについて考えます。

イメージ写真
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■省エネ住宅のデザイン

『家の作りやうは夏をむねとすべし』
吉田兼好が『徒然草』に記した言葉ですが、私たちが「日本の住まい」と聞いて思い浮かべる「深い軒」「大きな窓」などの特長は、日本の気候風土・・・多湿で暑さの厳しい夏、不快な梅雨等・・・への対策として考えられたカタチです。
「深い軒で夏の厳しい日差しを防ぎ、窓からの通風を確保して涼を取る」、「雨が多い日本の気候を考え、深い軒で雨がかりを防いで家の耐久性を向上させたり、雨の吹込みを防ぐ」というような知恵のつまった工夫なのです。

「それは昔の事!暑さや湿気はエアコンがあるから関係ない」という方もいらっしゃるかもしれませんが・・・
前回も触れましたが、日本の温室効果ガスの削減目標は2020年までに1990年比マイナス25%としている中、逆に排出量が増えているのが家庭部門です。
従って、なるべくエアコン、照明等の設備の負荷を減らしてエコ生活が出来る事はこれからの住まいのあるべき姿ですし、軒を深くして少しでも住まいの耐久性を増す必要がある事は、今も昔も基本的には変わりません。

さて、写真@の住宅は、「おうち*くらぶ」のスタッフも参加して企画した住宅の外観デザインです。
最新の省エネ住宅の考え方に日本の住まいの良さを取り入れたものです。

写真1 図1

「断熱材が不十分で寒い」「隙間風が入り込む」といった旧来の日本家屋の弱点は、プラスチック系断熱材を一体化した構造用パネルや断熱サッシで気密断熱性能を高め解決しているのは無論ですが、次のように日本の住まいの良いところをいくつも取り入れています。

軒を深くして夏の強い日射を防ぎ(図@)、風を取り込む
Low-eガラスを採用し窓を大きく計画、日射を防ぎつつ明るさは取り入れ、できるだけ無駄な照明はつけないようにする
街並みにマッチする伝統の意匠を取り入れながら、太陽光発電システムをのせ易い屋根の形を採用する

デザインを決定するにあたっては、建物への風の影響を風洞実験や最新のシミュレーションソフトで確認し(図A)、間取りを計画、サッシの最適配置やバルコニー形状を決め、さらに窓の開け方を工夫する事で出来るだけ自然の風を取り入れる・・・ウィンドキャッチの考え方を盛り込みカタチに反映しています。

「風は、窓を開けると自然に入って来る」と考えている方も多いと思いますが、実は「風の入口、出口の計画をキチンとしなければ、風は出入りしにくいものです。
図2 写真@のA部のサッシは建物に平行に吹く風をキャッチして、室内に取り入れるサッシの開け方(写真A)、正面の風を取り入れるための工夫をした組み合わせサッシ(写真B)になっています。
さて、「風が入るとどのくらいエコなの?」と疑問がわく方がいらっしゃるかと思いますが・・・
写真2 写真3
そのために、図Bのように、通風による快適性、エネルギーの削減度合をシミュレーションし数値で表わせるようにしたのも、この住宅の大きな特長です。
気密断熱性を高め「従来の住宅に比べ、どのくらい省エネ性に優れているのか?」を数値で表わした前回の「省エネ住宅を考える」図@A(参照)とともに、図Bのような数値化はこれからの省エネ住宅には必要な情報になると考えます。
図3
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省エネ、耐久性を考えた住宅の外観デザイン、いかがでしたか?

住宅の外観は単に見た目の格好良さを追い求めるのではなく、省エネや耐久性をしっかりと考えて、いかにエコに長く住むようにするか?、こんなことを考えデザインを行う事が普通の時代になって来ました。
これから新築される方は、省エネ住宅について設計士の方やビルダーさんに相談しながら二人三脚で実践してみて下さい。

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