「オープンキッチン」というと、アメリカの広い住宅を思い浮かべる方も多いはず。
ハリウッド映画などにもよく登場します。
最近は、昔ながらのこんな広いキッチン(写真.1.2)の他に、ちょっとイタリアンテイストのコンパクトな(コンパクトと言っても私達の感覚からすると、十分広いのですが・・・)「オープンキッチン」(写真.3)の住宅がモデルハウスとして建っていたりして、一昔前ほど国による差が少なくなっているように感じます。
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写真.1 |
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写真.2 |
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写真.3 |
※(写真.1.2.3)は一昨年、アメリカで撮ったものです。
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今、日本でもキッチンのあり方が大きく変わって来ています。
どちらかと言うと「日陰者」の存在から、前述のアメリカの住宅のように「家の中心」的であったり「主役」的な存在になりつつあります。
これは、生活の仕方や住まい方の変化によるもので、ダイニングやリビングの計画とも密接に関係してきます。 |
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「リビングって使っていますか?」
こんな質問をすると「・・・・・」と考え込んでしまう人、答えに詰まってしまう人が大勢いらっしゃいます。
特に、お子さまが小学校の高学年から中学生くらいになってくるとクラブ活動や塾などで家族みんなの生活時間帯にずれが出てきて「ゆっくりリビングで家族団欒を・・・」という時間が取りにくくなります。
そこでリビングに代わって活躍するのがダイニングであり、キッチンであるわけです。
次の写真3枚(写真.4.5.6)は私が設計を手がけた住宅の例です。
生活時間帯が違う家族のために料理をしたり、後片付けをしていると、ミセスはどうしてもキッチンに立つ時間が長くなりがち。
そこで、思い切ってキッチンを(ダイニングといっしょに)中心に配置して、逆に使用頻度の低いリビングは小さめにしてワンルームにまとめた計画をしてみました。
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写真.4 |
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写真.5 |
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写真.6 |
こういった配置をする事で、閉鎖的なキッチンと違って家族みんなと会話がしやすくなりますし、食事を「作って、運ぶ」動線が短くて済むメリットも出てきます。
しかも孤独感を感じないで、でーんと「私」が家の中心に居るといった感覚になる事でしょう。
何しろ、リビングダイニング全体に目が届き、家族が何をしているのかわかるのですから。 |
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家族みんなで、旦那様と一緒に料理を楽しむ。そんな週末の過ごし方も出来るようになります。
最近は、旦那様がお料理をするという(それも本格的な)ご家庭が増えているようです。
みなさんのご家庭では、いかがですか。
今回は我が研究所でもプロ級の腕前を持つスタッフが「旦那様の厨房」についてもご紹介しています。
料理をする「男の気持ち」、皆さんも興味はありませんか?⇒「旦那様の厨房」を考える
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こういったオープン型のキッチンですと、家族や気の合う友達と語らいながら料理を楽しむことが出来ます。
カウンターが広いタイプのキッチンにすると子どもといっしょに料理をしたり、軽食をカウンターで済ますなどという事も出来ます。
オープンキッチンを採用した奥様は「これまでの家では閉鎖的な暗いキッチンで主人も寄り付かなかったんですが、明るいキッチンにした事で、主人も料理するようになったんですよ!」とうれしそうにお話されていました。
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オープンになっているので苦手なお姑さんとのお茶の後にも「ちょっとお義母さん、このカップを流しに・・・」などと言う事も、意外と気軽に頼めたりするものです。 |
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オープンキッチンは「調理の時の臭いがこもりそうで嫌」、「食後に食器や料理道具がゴチャゴチャして嫌」という方もいらっしゃると思います。
また、もともと「片付けは苦手かな」という方は、対面式や少しクローズなキッチンを選択した方が懸命です。
物事、メリットがあれば必ずデメリットもあるので、もしオープンキッチンを採用される場合にはご自分の生活スタイルに合うかどうか、良く考えてから計画される事をお勧めします。
オープンキッチンを計画するときの注意点を挙げますので、参考にして下さい。
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1.食洗器は必須です。
下げた食器類や鍋やフライパンはそのままにしておくと見た目も見苦しいし、臭いも気になってきます。
それならば「洗いものは即、片付ける」という事で食洗器は必須アイテムになります。
2.ゴミのスペースもお忘れなく
洗い物と並んで、やっかいなのがゴミの問題です。
1.と同じ理由で、ゴミも早く処分したいもの。
ゴミを一時的に置いておけるスペースはキッチンの近くや外部に必ず設けるようにして下さい。
3.収納は別に十分取って下さい。
オープンキッチンを採用する場合、リビング、ダイニングと合わせて広い空間を取りたくなるものです。
この場合、キッチンにつきものの吊戸棚は取り付けずに見通しの良いオープンな空間にする場合が多いので、カップボード(収納棚)など、キッチン以外に収納を十分取ることを心掛けて下さい。 |
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キッチンは、住宅を計画する際に奥様が最も興味があるところで、また奥が深いテーマでもあります。
また別の機会に違った切り口で考えたいと思いますので、今回の特集を読んで下さったみなさん、色々なご意見をお寄せ下さい。⇒ご意見メールへ
※写真はイメージを含みます。必ずしも説明文と一致するものではありません。
※申し訳ありませんが、記載された住宅の設計についてのご質問や個別の住宅設計のご相談には応じかねますので予めご了承ください。 |
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