インテリア通信「室内建具」｜おすすめインテリア｜ouchi＊club-住まいの情報サイト「おうち＊くらぶ」

インテリアのベースとなる室内建具や床材。
今回はインテリアの構成要素の１つとして
「室内建具」についてお話します。

お部屋のインテリアコーディネートというと、家具や小物などを思い浮かべる方が多いと思いますが、インテリアを考える上でベースとなるのは、室内建具や床などではないでしょうか？今回は室内建具の種類とカラーコーディネートについてお話します。

室内建具は各部屋に出入りするためのドアのことです。あまり意識されたことはないかもしれませんが、いろいろな種類があります。一般的に、開閉による分類では片開き戸・両開き戸・片引き戸・引違い戸・引込み戸などがあります。また、デザインによる分類では、框戸・ガラス戸・フラッシュ戸・和風の建具などがあります。

両開き戸（親子扉）と片開き戸があるリビング

片開き戸（ガラス入り・パネル）と引違い戸（2枚）があるリビング

室内建具は人の動線をつくる重要な機能を持っています。建具の開け方によっては、人の動線をさえぎり使いにくくしたり、物が置けなくなったりすることもあるので、開き勝手や取付け位置はしっかり計画しなくてはなりません。
また、建具自体のデザイン性や大きさなども住まいのインテリアに大きな影響を与えます。
以前、「建築金物」で、建築金物（ドアハンドル等）がインテリアに与える影響が大きいことはご説明しました。まして、目にふれる面積の大きい建具は影響が大きくなりますので、今回はインテリアのひとつの構成要素として建具をとらえたいと思います。

多くの住まいの壁や天井は、白系の色をしていることが多いので、必然的に建具はアクセントになります。下記に4枚の画像があります（画像①～④）。全て同じ部屋ですが、建具や床などのカラーが異なると部屋の印象が大きく異なります。

床・建具を、壁に同化するような白系の色でまとめたもの
○空間を広く見せることができます。

床・建具を、ダーク系でまとめたもの
○重厚感のある落ち着いた空間になります。

床はダーク、建具は明るい色でまとめたもの
○安定感のある印象になります。

床は明るい色、建具はダーク系でまとめたもの
○建具の色がアクセントになり、個性的な空間になります。

建具のカラーだけではなく、建具の形状やデザインを組み合わせていくことでインテリアのテイストが少しずつ成り立って行きます。

写真③・④は画像①のように全てを同じ白系のトーンでまとめた部屋です。しかし、少しのトーンの違いで、全く違った印象に感じるのではないでしょうか。
写真③は暖色系の白色を使用しているので、ソフトでやさしい印象を受けますが、写真④は純白に近い白色を使用している為、シャープな印象になります。

写真⑤～⑦は、床・建具共に画像②のように同系色でまとめた部屋です。インテリアカラーの違いでも印象は違いますが、それぞれに使用されている建具によって、インテリアテイストがかなり左右されているのがわかります。
写真⑤・⑥は共に和のイメージがある部屋ですが、写真⑤は、⑥に比べると優しい印象になります。写真⑥は和室廻りにアルミ建具を使用していることもあり、和モダンな印象が強くなっています。

写真⑦は洋風でクラッシックなイメージになっています。壁に腰パネルを貼っていることもありますが、建具の三方に化粧額縁を使用することで、よりトラディショナルなデザインに仕上がっています。

写真⑧は白い空間の中で、建具を少し特徴のある木目にして、部屋のアクセントとしています。この建具があるかないかでこの部屋の印象は大きく変わります。そして、この建具の木目色を家具や小物にも使用することで、全体的にまとまりモダンなインテリアになっています。

①～⑧写真・①～④画像提供/（株）LIXIL

今回の室内建具はいかがでしたか？
建具は機能面だけではなく、インテリアでも重要な要素であることがわかっていただけたかと思います。もちろん、インテリアのテイストを表現するには、建具のデザインだけではなく、そこに置く家具や照明や室内装飾品等も密接に関わってくるのは言うまでもありません。大事なことは、どんなテイストにしたいのかをまず組み立て、それに沿って、ぶれないようにいろいろな物を組み合わせていくことです。わからなくなった時には、まずは原点に戻って、どんなテイストにしたかったのかを考えてみてください。